「大河」の舞台裏 1

読売新聞 7月8日付 夕刊

「龍馬伝」ロケ 長崎沸く

 民放各局で時代劇が減る中、NHKの大河ドラマは時代劇の伝統を守っている。放送界を取材して25年の経験をもとに、18日から第3部に入る『龍馬伝』の制作現場に密着し、ドラマ作りの舞台裏を伝えたい。



 まだ、真っ暗な午前4時半、ロケ隊のマイクロバスが長崎市鍛冶屋町の崇福寺(そうふくじ)に着いた。国宝をはじめ貴重な中国風の建物が現存する。境内一帯につるされたランタン(中国ちょうちん)は、今回のロケのため地元が用意した。
 美術スタッフは早速、長い石段にある鉄製の手すりに竹や木の皮を巻い隠し、高層ビルが見える位置には発泡スチロール製の石垣を置く。現代の構造物などが映らないよう、細心の注意を払う。
 6時前、主演の福山雅治さん(41)が紋付きはかま姿で現れた。地毛を生かし髪型は、ボサボサだった第2部とは違い、後ろで束ねている。

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 快晴に恵まれた5月27日、『龍馬伝』で最後となる大規模なロケが始まった。出演者も含め総勢70人余り。ロケで収録できる時間はスタジオの半分程度と、必ずしも効率的ではない。岩谷可奈子チーフ・プロデューサー(46)は「ご当地でのロケには、地域の活性化に寄与するという意味もある。ロケができる場所はどこかと逆算し、脚本に取り入れてもらった」と説明する。
 龍馬が高杉晋作(伊勢谷友介)ら長州藩士と話し合うシーンが撮影された。その間、田上富久・長崎市長(53)が県産ビワを持って激励に駆けつけた。「龍馬と言えば高知が名高いが、長崎は龍馬が亀山社中や海援隊を率いて活躍した街。その歴史を全国に知ってもらういい機会とあって、地元は盛り上がっている」
 福山さんは長崎の出身。「故郷で土佐弁をしゃべっているのが不思議」と笑いながら、「これを機に長崎が活気づけばうれしい」と望んだ。

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 午後は、龍馬ら一行が異国情緒あふれる長崎を訪れ、「何じゃあ、この町は」と驚く場面が撮影された。約100人のエキストラが町人や弁髪の中国人、西洋人にふんし、中国式の祭りが再現された。爆竹が鳴り響き、楽隊の演奏に合わせて龍踊(じゃおどり)や獅子舞が練り歩く。第3部の冒頭を飾るにふさわしいシーンだ。
 本番のたびに、同市職員たちが観光客の入場制限に当たった。名刹(めいさつ)での大がかりなロケは、地元の全面的な協力があればこそだ。


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