「大河」の舞台裏 3

読売新聞 7月13日付 夕刊

龍馬 高知だけじゃない

 坂本龍馬は貿易都市の長崎を拠点にして、英国の商人グラバーとの取引、薩長同盟の仲介を進め、歴史の前面に躍り出た。長崎県観光振興推進本部の織方(おがた)国勝・本部長(65)は「長崎との深いかかわりはそう知られていなかったが、今や全国的に注目されている」と顔をほころばせた。
 JTB出身の織方さんは、NHKが大河ドラマとして『龍馬伝』の製作発表をした08年6月、「長崎にとって千載一遇のチャンス」と喜んだ。3ヶ月後には早くも、官民による「大河ドラマ『龍馬伝』長崎県推進協議会」が発足した。
 同協議会では「龍馬 長崎で待つ」と書かれたポスターや、60ページのガイドブックを発行するなど、観光客受け入れの準備を進めてきた。公募したロゴや「ながさき龍馬くん」のキャラクターを使用した地元の菓子や飲料、グッズなどは、100点を超える。
 長崎歴史文化博物館は放送に合わせ、「長崎奉行所・龍馬伝館」を開設した。長崎市では、龍馬が創設した結社「亀山社中」跡を記念館として復元し、「長崎まちなか龍馬館」も開館させた。織方さんは「どこも予想より速いペースで客足が伸び、県外の客が圧倒的に多い。放送で長崎が出てくるこの夏はもっとにぎわうだろう」と当て込む。
 大河ドラマのご当地になると、観光客の増加などの経済波及効果が期待される。『龍馬伝』をめぐって日銀高知支店は4月、「土佐・龍馬であい博」などを開催する高知への経済効果を、234億円から409億円へと上方修正した。日銀長崎支店では、観光脚の140万人増加を見込んで210億円と試算した。
 長崎市の市街地を見下ろす風頭(かざがしら)公園に、龍馬の銅像がある。龍馬に関する研究会やイベントを開く「長崎龍馬会」の前身が1989年、市民から集めた1200万円で建てた。
 システムエンジニアの馬渡善裕(45)は「当時は『なぜ長崎に建てる必要があるのか』という反応が大半で、資金集めには苦労しました」と振り返る。
 今の盛り上がりについては「龍馬への関心を深めてほしいから、便乗的な動きでも構わない」と大歓迎する。6月19、20日の2日間、「市民レベルにもっと浸透させたい」と開催された「ながさき龍馬フェスタ2010」では、実行委員会の会長を務めた。
 ただし、大河ドラマをきっかけにしたブームは、年が改まるとしぼむのが常だ。織方本部長も馬渡会長も、「来年以降にどうつなげるかが大きな課題」と口をそろえた。

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