「大河」の舞台裏 8

読売新聞 7月21日付 夕刊

関連事業で子会社稼ぐ

 入り口を抜けると、坂本龍馬と岩崎弥太郎の大きな銅像の原型が目に入った。2005年に開館した長崎歴史文化博物館。長崎県と長崎市によって長崎奉行所跡地に建設され、民間が運営する。多くの観光客でにぎわうのは、「長崎奉行所・龍馬伝館」と銘打った企画展を開催しているためだ。
 月1回休館してきたが、来年1月までの期間中は休みなし。常磐大学長から転身した大堀哲館長(73)は「博物館の多くは、年間入場者が10万人の壁をなかなか突破できない。うちはお客様サービスに徹し、50万人を超える。今年は、90万人は固い」と見込む。
 『龍馬伝』のメーキング映像、登場人物の相関図や衣装などが展示されている。大河ドラマの展示館は仮設が多いが、ここは一線を画す。大堀館長は「一過性で終わらせたくない。テレビとの連動だけではなく、『幕末長崎古写真展』など龍馬にちなんだ独自の企画展も開いている」と、博物館の立場を強調する。
 こうした展示館は、高知県の4市町にも開設された。展示を委託されたのは、NHK関連会社「NHKエンタープライズ」だ。社員500人、売上高470億円の同社が”大河ドラマ・ビジネス”を担う。
 大河関連の展示館やイベントは、仙台市が1987年の大ヒット作『独眼竜正宗』で実施したのが始まりという。ご当地ではこれ以降、官民一体型による開催が恒例となった。入場者の最高は、『利家とまつ』が放送された2002年、金沢市で開かれた「加賀百万石博」の157万人だ。
 同社は、タイトルロゴを菓子などの商品に使用する際の窓口でもある。
 河合滋専務(64)は「番組支援としてさまざまな関連事業を展開している。地元の地域振興のお手伝いという意味もある」と語る。
 番組の二次利用も、同社が一手に管理している。DVDでは、04年の『新撰組!』がヒットし、8億円の売り上げを記録した。ケーブルテレビや有料の衛星放送でも流され、「NHKドラマの中で大河ドラマはキラーコンテンツ」と言う。海外販売にも力を入れており、08年の『篤姫』はアジアを中心とした6カ国・地域の8局で放送された。
 このほかに、NHK出版が出す「大河ドラマ・ストーリー」は毎年、ベストセラーになっている。
 公共放送として営利事業が禁じられている本体に代わって、子会社が動く。大河ドラマの人気度は、NHKグループの関連ビジネスの成否に直結している。

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